法定相続人とは?相続に詳しい久我山左近がわかりやすく解説します!

相続手続きサポートガイド

こんにちは、「相続手続きサポートガイド」のコラムを執筆している司法書士の久我山左近です。

法定相続人とは、亡くなった方(被相続人)の相続財産を引き継ぐことができる民法で定められた相続人ということになります。法定相続人になる人は、亡くなった方(被相続人)の配偶者と、亡くなった方(被相続人)の子供、両親、兄弟姉妹などになります。

今回のコラムでは、民法で定められた法定相続人が誰になるのかを相続に詳しい司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。ぜひ、今回の記事を読んでいただき、法定相続人に関する基本的な知識を身に付けてください。

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目次

法定相続人について!相続に詳しい久我山左近が丁寧に解説いたします!

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法定相続人は、配偶者と子供、両親、兄弟により優先順位があります!

亡くなった方の相続の手続きでは、誰が相続財産を引き継ぐのか?がわかっていないと数々ある相続の手続きをスムーズに進めることが出来ません。

また、相続税を中心とした相続税対策のおいても誰が相続財産を引き継ぐのかがわからないと的確な相続税対策を行うことが出来ません。

相続の手続きにおいて遺言書があれば、相続財産を引き継ぐ人は法定相続人に限られませんが、遺言書がない場合の相続では法定相続人が相続財産を引き継ぐことになりますので、法定相続人が誰になるかはとても重要になります。

まず、法定相続人が誰になるかをわかりやすい図にしてみましたので、ご覧になってください。

それでは法定相続人が誰になるかを図を見ながら解説をいたします。

まず、亡くなった方(被相続人)の妻や夫(配偶者)は常に法定相続人となります。

亡くなった方の配偶者は必ず法定相続人になるということは必ず覚えておきましょう!

法定相続人は亡くなった方(被相続人)に配偶者がいれば必ず法定相続人になりますが、配偶者以外の法定相続人には順番があり、上位の順番の法定相続人がいる場合は下位の法定相続人は相続権がなく相続財産を受け取ることができません。

それでは図を見返しながら例を挙げて配偶者以外の法定相続人について説明をしていきましょう!

まず、亡くなった方(被相続人)に配偶者と子供が2人いる場合の法定相続人は配偶者子供2人が相続財産を引き継ぐことになります。このケースで亡くなった方に両親や兄弟がいたとしても法定相続人にはなりません。

図にも記載していますが、このケースの子供や孫法律用語で直系卑属といいます。)が第一順位の法定相続人になります。

次のケースは、亡くなった方(被相続人)に配偶者はいますが子供がいなかった場合で亡くなった方の父と母(両親)がまだ健在な場合の法定相続人は配偶者両親2人が相続財産を引き継ぐことになります。このケースで亡くなった方に兄弟がいたとしても法定相続人にはなりません。

図にも記載していますが、このケースの両親法律用語で直系尊属といいます。)が第二順位の法定相続人になります。

最後が亡くなった方(被相続人)に配偶者はいますが子供がなく両親はすでに他界している場合で亡くなった方の弟がまだ健在な場合の法定相続人は配偶者が相続財産を引き継ぐことになります。

前述の図にも記載していますが、このケースの兄弟姉妹第三順位の法定相続人になります。

法定相続人についてまとめますと、亡くなった方(被相続人)に配偶者がまだ健在であれば常に配偶者は法定相続人になります。次に第一順位の子供や孫(直系卑属)がいれば配偶者と共に法定相続人になり、もし亡くなった方(被相続人)に子供や孫(直系卑属)がいなかった場合には第二順位の父親や母親(直系尊属)が法定相続人になります。さらになくなった方(被相続人)に父親や母親(直系尊属)がすでに他界している時に限り第三順位の兄弟姉妹が法定相続人になります。

少し複雑ですが法定相続人が誰になるのかを理解することが出来ましたでしょうか!

代襲相続とは?法定相続人の代襲相続について久我山左近が解説します!

ここでは法定相続人の「代襲相続」という制度について解説いたします。

前述の図にもあるように第一順位の法定相続人は子供や孫(直系卑属)と記載されていますが、仮に今回の相続で亡くなった方(被相続人)の子供が被相続人より先に他界している場合で孫が健在な場合には、亡くなった方(被相続人)の両親ではなく孫が子供の代わりに法定相続人になることになり、この代わりに法定相続人ついての地位を継承する制度を代襲相続といいます。

前述のケースだと子供が亡くなっているので、第二順位の両親が法定相続人になりそうな感じを受ける方もいると思いますが、民法によれば法定相続人になるのは孫ということになり、孫は既に亡くなっている被相続人の子供に代わって相続人になります。繰り返しになりますが、これを「代襲相続」といいます。

代襲相続とは、本来健在であれば法定相続人になるはずの人(被代襲者)が今回の相続の開始以前に他界している場合に、その人の直系卑属(代襲者)が代わりに相続財産を引き継ぐことをいいます。

養子がいる場合の法定相続人としての取り扱いを解説します!

養子については、法定相続人としての扱いは実子と同様となりますので亡くなった方(被相続人)の相続財産を引き継ぐことのできる法定相続人となります。

ここで注意したいのが養子にも種類があり「普通養子」と「特別養子」の取り扱いの違いになります。

普通養子の場合は養子になった親との親族関係が新たに発生いたしますが今までの実の親との親族関係も継続することになります。つまり普通養子の場合は養子になった親と実の親との両方の法定相続人になります。

しかし特別養子の場合は養子になった親との親族関係が発生いたしますと、実の親との親族関係は解消されるため、養子になった親の法定相続人にはなりますが、実の親に対しては法定相続人になりません。

法定相続人が未成年の場合の取り扱いを解説します!

法定相続人がまだ未成年者の場合には、未成年者である本人が正しい判断をすることが難しいので、相続の手続きにおいて代理人を立てる必要があります。未成年に代理人が必要な理由は、未成年者は原則として相続財産を分ける遺産分割協議や相続に関する様々な手続きといった法律行為を単独で行うことが民法上で認められていなという理由からになります。

一般的な日常のケースで何か商品を購入する場合などは親が子供の法定代理人になりますが、相続が発生して配偶者未成年者の子が同時に法定相続人になる場合は、未成年の親(配偶者)は子供の法定代理人になれません。なぜなら、このケースで親が未成年の子供の法定代理人になってしまうと、相続財産の引き継ぐのが誰にするかということを親が自分自身一人ですべて決定できることになってしまいます。このような場合には未成年の子供に不利益が及ばないように家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立てなくてはなりません。裁判所から選任された特別代理人が未成年の子供の代わりに相続財産の遺産分割協議に参加することで未成年の子供に不利益な結果にならないように配慮することが出来ます。

胎児は法定相続人になれるか?久我山左近が詳しく解説します!

相続開始時に亡くなった方(被相続人)の子供や孫、兄弟姉妹などにあたる法定相続人の立場に、仮にまだ生まれていない胎児が存在していた場合、実はその胎児も法定相続人になることができます。

民法上の胎児の扱いは、すでに生まれたものとして取り扱われるという理由からですが、この胎児に対する取り扱いは後日無事に出産された場合に限りますので、流産・死産・中絶した場合には胎児は最初からいないものと判断されますので、法定相続人にはなれないことになります。

法定相続人の中に行方不明者がいる場合を解説します!

ここでは、法定相続人に行方不明者がいる場合を解説いたします。

法定相続人の中に行方不明者がいる場合には、行方不明の法定相続人の戸籍の附票を取り寄せて住所を探して直接住所地を訪ねるかまたは手紙を出すなどして行方不明の法定相続人に対し連絡する努力をしなければなりません。

しかし、それでも連絡が取れない場合には、他の相続人が家庭裁判所に不在者財産管理人を選任する申し立てを行い、家庭裁判所の許可が下りれば、この不在者財産管理人が行方不明の法定相続人の代わりに遺産分割協議に参加することが出来ます。

法定相続人の話しとは少し離れますが遺言書もなく相続人もいない場合は?

亡くなった方(被相続人)に遺言書がなく、法定相続人もいない場合には、家庭裁判所により相続財産管理人が選任されます。

家庭裁判所が相続財産管理人を選任する旨が2か月間裁判所の掲示板などで公告された後、相続財産管理人が相続人や相続債権者などがいるかどうかを同じように裁判所の掲示板などで公告により捜索いたします。

6か月以上の期間で、この公告をしても相続人が現れなければ、「相続人の不存在」が確定し、相続人のいない相続財産は国の所有物(国庫に帰属する)ということになります。

相続欠格、相続排除、相続放棄について解説します!

ここからは、法定相続人であっても相続財産を受け取ることが出来ない場合について解説をいたします。

法定相続人であっても相続権を剝奪される相続欠格について解説!

相続欠格とは、以下の欠格事由に該当する法定相続人の相続権を、手続きをすることなく剥奪することができる制度をいいます。

以下の相続欠格事由に該当する者は、配偶者や子供であっても相続人になることは出来ません。

【相続欠格事由】

  • 故意に亡くなった方(被相続人)や他の法定相続人になりうる人を死亡、または死亡させようとしたために刑に処せられた者
  • 亡くなった方(被相続人)が殺害されたことを知っていながら、告発または告訴しなかった者
  • 詐欺や強迫によって、亡くなった方(被相続人)による遺言書の作成、撤回、取消、変更を操作した者、あるいは故意に妨げた者
  • 亡くなった方(被相続人)の遺言書の内容を偽造、変造、破棄、隠したりした者

民法の規定では、相続において亡くなった方(被相続人)の意思を最大限尊重するようにしていますので、その亡くなった方(被相続人)の意思を無視したり、民法が目指す相続のあり方に反して法に触れるようなことをした者は相続権を失うことになります。

被相続人が相続権を剝奪する相続廃除について解説します!

相続欠格に続いて相続廃除された者も相続財産を受け取る相続人になりません。

相続廃除とは、亡くなった方(被相続人)の意思に基づいて、家庭裁判所が相続人の相続権を剥奪する制度をいいます。

ここで相続排除の対象者は亡くなった方(被相続人)の配偶者、子供(直系卑属)、親(直系尊属)に限られます。その理由はこれらの相続人には「遺留分」があるからになります。

遺留分とは、残された相続人が最低限の相続財産を受け取ることが出来る制度のことで、兄弟姉妹以外の一定の相続人には遺言によっても奪うことのできない相続財産を受け取ることが出来る一定の割合のことを遺留分といいます

仮に遺留分がない相続人に対しては遺言書を作成することで相続分をゼロにすることが出来ますので、遺留分を持つ相続人に対してのみ相続排除の手続きが必要ということになります。

いずれ被相続人になる人は、次の廃除事由がある場合、廃除の請求を生きている間に(あるいは遺言により)家庭裁判所に行うことができます。

【相続排除の条件】

  • 推定相続人(将来の相続において相続人になる予定の者)が被相続人に対して虐待や重大な侮辱を加えたことがある場合
  • 推定相続人(将来の相続において相続人になる予定の者)に著しい非行がある場合

少し補足説明をいたしますと、「被相続人に対する虐待」とは被相続人に対し暴力や耐え難い精神的な苦痛を与える行為で、「重大な侮辱」とは被相続人に対する名誉や感情を害する行為を意味します。また「著しい非行」とは、推定相続人が犯罪、被相続人の遺棄、被相続人の財産の浪費、不貞行為や素行不良などをした場合を意味します。

相続放棄について相続に詳しい久我山左近がわかりやすく解説します!

最後が「相続放棄」の解説で、亡くなった方(被相続人)の相続財産が現預金や不動産、有価証券といったプラスの財産だけでなく借金や未納税金などのマイナスの財産が多い場合に、そのすべての相続財産に関する相続する権利を放棄した人も相続人にはなりません。

法定相続人が相続放棄を行うには、相続開始から3か月以内に家庭裁判所にその旨を申し立てる必要があります。

なお、相続欠格や相続排除は先に説明した代襲相続の対象になるのですが、相続放棄は代襲相続の対象になりませんので、亡くなった方(被相続人)の子供が相続放棄をした場合には被相続人の孫は相続放棄をした子供に代わって相続人になることはできません。

ここまでで、法定相続人の基本的な解説は以上になります。

法定相続人の法定相続分について基本的な知識を覚えておこう!

今回のコラムの法定相続人の解説のおまけとして、それぞれの法定相続人の持つ法定相続分の割り合いについて簡単に説明をしておきましょう。では、下記の図をご覧になってください。

それぞれのケースで考えてみましょう!まず亡くなった方(被相続人)に配偶者と子供がいるケースではそれぞれの法定相続人の相続分の割り合いは配偶者が2分の1子供が2分の1になり、もし子供が2人いる場合は2分の1を子供2人で分けるので、それぞれ4分の1の相続分になります。

次に、亡くなった方(被相続人)に子供がなく父母がいるケースではそれぞれの法定相続人の相続分の割り合いは配偶者が3分の2父母が3分の1になり、両親が健在であれば父親と母親は3分の1を2人で分けるので、それぞれ6分の1の相続分になります。

最後が亡くなった方(被相続人)に子供も両親もなく兄弟がいるケースではそれぞれの法定相続人の相続分の割り合いは配偶者が4分の3兄弟が4分の1になり、法定相続人が弟のみであれば弟の相続分の割り合いは4分の1になります。

法定相続分については別のコラムで詳細な解説をいたしますので、今回はここで解説した法定相続分の基本的な割り合いを覚えておきましょう!

どうでしょう、民法で定められた法定相続人についての理解が深まりましたでしょうか?

ここまでで、今回のコラム「相続放棄について!相続に詳しい久我山左近がわかりやすく解説します!」のテーマの解説は以上になります。

当コラムを運営する「相続手続きサポートガイド」では、相続の手続きについての無料相談だけでなく、家族信託や遺言書など相続に関連するお悩みについても無料でご相談することができます。ぜひ、お気軽に当サイトの無料相談を利用していただきたいと思います。

それでは、司法書士の久我山左近でした。

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