遺産には借金なども含まれます!負の財産が多い時は相続放棄で対処!

相続手続きサポートガイド

こんにちは、「相続手続きサポートガイド」のコラムを執筆している司法書士の久我山左近です。

遺産相続の財産には、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金などの債務や未払いの税金などのマイナスの財産も含まれます。

そして、中には負の財産の方が多いケースもあり、相続人はその負債を引き継ぐことにより経済的な負担を強いられることがあります。こうした場合には、相続放棄という選択肢を検討する必要があります。

今回のコラムでは、借金などの負の財産が遺産の中に多く含まれる場面に直面した場合の対処法としての相続放棄に焦点を当てて、相続に詳しい司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。

相続の種類や相続放棄のメリット・デメリットについても詳しく解説していますので、遺産相続における借金などの負の財産の扱いに関する疑問や不安を解消するための参考にしていただければ幸いです。

目次

相続財産に借金などの負の債務が多い場合は相続放棄が必要になります!

司法書士法人ホワイトリーガル
司法書士法人ホワイトリーガル

相続では、価値がある不動産や預貯金は引き継ぎますが、借金などの負債は引き継がないといった都合のいい形での相続はできません。もちろん価値がある財産が多ければ相続をする方がいいのですが、もし借金などの負の財産が多い場合にはどのような手続きを取ったらいいのでしょうか?

今回の記事は、相続財産の中に借金などの負の財産が多い場合の対応について、司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。

相続財産にはプラス財産とマイナス財産があります

相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産の両方が存在いたします。プラスの財産とは、現金、預貯金や土地建物などの不動産、自動車などの資産になります。これらは相続人にとって受け継ぐ価値のある財産となります。

一方で、マイナスの財産は、借入金や未払いの債務や税金などになります。これらの負債に関しては、何もしなければ相続人に引き継がれることになりますので注意が必要になります。

借金などの負の財産は見つけにくいので要注意です。

マイナスの財産は、見つけにくく後から発覚することが多くあります。例えば、故人が借金の保証人であった場合には、その負債は返済が滞った後でなければ、なかなか発見されません。

そのため、相続人たちが借金の存在を知らずに相続財産を受け継いでしまうことがあります。しかし、後に債権者から借金の返済を求められる可能性があり、その場合には相続人は故人の代わりに借金を返済する必要があります。

マイナスの財産を知らないままで、相続を進めてしまうと相続人に限られずに、その子供や孫にもその負債が引き継がれてしまう可能性があります。そのため、相続の手続きを行う際には、プラスの財産だけでなく債務などのマイナスの財産もしっかりと確認することが重要です。相続財産の詳細な調査や債務の確認は、専門家のアドバイスを受けることが望ましいでしょう。

マイナス財産の方が多い場合には相続放棄を検討する

相続財産は、プラスの財産とマイナスの財産の両方を含んでいることを理解して、適切な対策を取ることが大切になります。相続の手続きを行う際には、プラスの財産だけでなく債務もしっかりと把握して遺産相続におけるリスクを最小限に抑えることが求められます。

マイナスの財産の方が明らかに多い場合には、特別な事情がない限り、相続放棄を検討することになります。

相続の種類を解説します。

相続には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3つの種類があります。

相続の方法を選ぶ際には、ご自身の状況や財産の状態を考慮して、慎重に判断する必要があります。また、相続放棄や限定承認を選ぶ場合は、相続があったことを知った日から3ヵ月以内に裁判所へ届け出る必要があります。この期限を守らないと、自動的に単純承認として扱われてしまいますので注意いたしましょう。相続に関する法律や手続きについてよく理解して適切な選択を行うことが重要になります。

単純承認

単純承認は、被相続人の権利や義務をすべて相続する方法です。これは一般的な相続の形式であり、故人のプラスの財産もマイナスの財産もすべて相続人に受け継ぐことになります。ただし、債務がある場合は、十分に調査したうえで単純承認を選択いたしましょう。

限定承認

次の相続の種類は限定承認で、被相続人の負債や借金などの債務を、プラスの財産の範囲内で精算できる形式になります。
この方法では、被相続人のプラスの財産を利用して債務を支払うことになりますので、相続人はご自身の財産から故人の債務を支払う必要はありません。
また、被相続人のプラス財産とマイナス財産のどちらが多いか不明な場合にも限定承認は有効な手法となります。
ただし、限定承認は相続人全員で行う必要があるため1人でも反対者などがいる場合には行うことができませんし、手続き自体が複雑で手間がかかるといったデメリットがあります。

相続放棄

相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産もすべて放棄して、遺産の一切を相続しない方法になります。
相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったと見做されるために代襲相続もできません。
相続放棄した人を除いた相続人のみで、遺産を分割することになります。

相続放棄のメリットとデメリットを解説します。

相続放棄には、以下のようなメリットとデメリットがあります。相続放棄をするかどうかは、個々の状況や価値観によって異なるため慎重に判断する必要があります。相続放棄を考える場合は、司法書士などの専門家のアドバイスを受けることもお勧めになります。

相続放棄のメリット

1被相続人の借金を相続せずに済むため債務の負担から解放されます。
2他の相続人との争いや遺産分割によるトラブルを回避できます。
3被相続人の財産を管理する責任や手続きの手間を省くことができます。

続放棄のデメリット

1被相続人の財産を一切受け継ぐことができなくなります。相続財産に価値がある場合は、その機会を逃してしまう可能性があります。
2家族間の関係に影響が生じる可能性があります。相続放棄によって家族の絆が揺らぐことも考えられます。

相続放棄のまとめ

相続財産の実情や状況をトータルで判断して相続放棄するかどうか決めることはとても重要な決断です。
相続人として、相続財産を受け継ぐことは一般的に望ましいことになりますが状況によっては相続放棄を検討する必要があります。

マイナスの財産の方が明らかに多い場合や相続に関わりたくない場合などは、積極的に相続放棄を検討すればよいでしょう。相続放棄の決断は、ご自身の将来を見据えた重要な選択になりますので、相続財産の実情や状況をトータルで判断して冷静な判断をすることが求められます。

慎重に検討を重ねて、司法書士などの専門家の助言を仰ぎながら最適な選択を行いましょう。

ここまでで、今回のコラム「遺産には借金なども含まれます!負の財産が多い時は相続放棄で対処!」のテーマの解説は以上になります。

当コラムを運営する「相続手続きサポートガイド」では、相続放棄についての無料相談だけでなく、相続登記義務化や家族信託など相続に関連するお悩みについても無料でご相談することができます。ぜひ、お気軽に当サイトの無料相談を利用していただきたいと思います。

それでは、司法書士の久我山左近でした。

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